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ベアリングは日本語で軸受と呼ばれている部品で、名前のように動作の軸を受ける役割を担います。回転などの動作は摩擦が動作や耐久性などに影響しますが、ベアリングのおかげで摩擦が軽減され、動作に必要なエネルギーの消費が抑えられるわけです。

その為、ベアリングは自動車を始めとして、冷蔵庫や掃除機にエアコンなどでも幅広く活用されています。

ベアリングとは

ボールベアリングはリング状の金具にボールがはめ込まれている形状で、ボールが回転することで摩擦が抑えられ、スムーズな回転が実現するのが基本的な仕組みです。

ベアリングには平受軸やボールベアリングの玉軸受、ローラーによるころ軸受などの種類があります。一般的に知られているベアリングは転がり軸受と呼ばれる種類で、ボール軸受やボールベアリングともいいます。

すべり軸受は流体によるベアリングで、油軸受と空気軸受に分類されます。磁気軸受は回転部分が磁気で支えられているのが特徴で、無重量状態状態で利用することから人工衛星で活用されている種類です。流体軸受はオイルや気体などを軸受に用いられているもので、摩耗が起こりにくく耐久性にも期待できます。

ベアリングは、受ける荷重の種類によっても分類されます。径方向に荷重を受ける種類はラジアル軸受、一方で軸方向に荷重を受ける種類はスラスト軸受です。

無給も無給油軸受や静圧軸受、含油軸受に流体動圧軸受などありますが、ベアリングの基本的な考え方は古代エジプト時代には既に考えられていたようです。

ベアリングの歴史は長い

現在分かっている最古の軸受は、共和制のローマ時代に建造されたローマ船で、20世紀に発掘されています。これは紀元40年頃に何らかの理由で沈没して湖底に沈んでいたもので、発掘時に回転構造を持つ女神像が発見されたことから、当時既に技術が存在していたことが分かりました。

現代と違って木製ではありますが、摩擦を軽減させる構造なのは間違いなく、現代に通じる技術ということができます。あのレオナルド・ダ・ヴィンチもベアリングに関する絵を残しており、1500年頃にころ軸受が確立されています。

このように歴史はとても古く、大昔から摩擦を低減して労力を減らす必要性が理解されていたり、その方法が色々考えられてきたことが分かります。

ベアリングを製造している代表的な日本企業

現代のベアリングは世界中に製造を行っているメーカーがあって、日本のメーカーも世界のシェアを争っています。日本精工(NSK)は約6.7%の世界シェアを有している日本企業で、大正5年に設立された日本を代表する老舗でもあります。

日経平均株価を構成する225銘柄にも名を連ねているほどで、存在感と影響力が窺えます。世界シェアの順位は3位で日本国内ではトップですから、経済面での影響力が高いのも納得です。

主要な製品はやはりベアリングで玉軸受やころ軸受、その他ベアリングユニットや精密転がり軸受、特殊環境軸受のスペーシアシリーズも展開中です。主力のベアリング以外にも、精密な製造加工技術とノウハウを活かし、ボールねじやリニアガイドにモノキャリア、メガトルクモータやその他精機製品も扱っています。

自動車関連製品でもベアリングが活躍していますし、電動化関連製品やシャシー関連製品と共に、自動車メーカーにとってなくてはならない存在です。日本精工(NSK)は専門性が高い上に業界でトップクラスの規模を誇りますから、当然ながらメンテナンス製品やベアリングヒーターも提供しています。

NTN株式会社は4.7%の世界シェアを持つ、日本のベアリングを支えている大手3社の1つです。こちらも日経平均株価を構成している銘柄の1つで、三和グループに属しています。

世界シェアでは4位ですが、自動車関連製品のドライブシャフトは2位、ハブベアリングは1位と自動車分野で存在感を放ちます。強みは主力の精密機器で、ベアリング分野ではいち早く世界に進出しており、1970年代には既に欧米で現地生産を始めています。

近年は風力発電機向けの大型な製品に力を入れていて、この分野でも国内メーカーをリードしているのがNTN株式会社です。
NTN株式会社の製品は自動車や二輪車向けを始めとして、電気自動車や鉄道車両、風力発電装置に建設や鉱山機械向けと実にラインナップが充実しています。

他にも農業機械や工作機械、事務機器に製鉄機械、製紙機械や食品機械に医療機器と、多くの分野に製品を提供していることが見て取れます。航空や宇宙分野、精密機器にロボットと電機や真空中でも使えるクリーン分野向け、変減速機や自然エネルギー商品も提供中です。

軸受は各種の取り扱いがありますし、プランマブロックやベアリングユニット、すべり軸受に加えて等速ジョイントやクラッチに電気モータと圧倒的です。やはり自動車関連分野での製品展開が目立ちますが、それだけに存在感が大きくて影響力もあります。

日本精工(NSK)もNTN株式会社も日本、ひいては世界にとってもなくてはならないメーカーだといえそうです。